帰宅難民化記録(2011/3/11)

本日は「防災の日」ということなので、2011年3月11日に発生した東日本大震災で帰宅難民化した時の記録を投稿します。
8年前の当時の記憶を引っぱり出して書いているので記憶違いの部分も多々あると思われます。

なお、当時の状況としてかなり逼迫した状態であったので写真はほとんどありません。

また、当時のスマートフォンと言えばiPhone4が2010年6月にソフトバンクのみで発売でガジェットオタク以外にも普及が始まったかな~程度、目ぼしいAndroid機はXperia(SO-01B)が2010年4月に、同年10月にGALAXY S発売といった状況。
twitterは比較的利用者が増えてきたといった感じ。
LTE(4G)はサービスは開始されていたもののまだ普及しておらず3G全盛、果ては2G(PDF)がまだ生き残っているという時代であったことも念頭に置いてご覧ください。

ちなみに筆者は当時、写真のExif情報から推測するとX06HTを使っていたようです。

1.地震発生

この日、筆者は埼玉県さいたま市にある運送業者の営業所で業務PCのメンテナンスを行うために現場で作業をしていました。
そして作業も終わりに近づいた時に地震発生。倉庫の壁がガシャガシャと大きな音を響かせ始めます(防災対策として振動で大きな音が出る設計になっているらしい)。
30分くらいすると続々配達車両が戻ってきて…

「トラックに乗っていて揺れは感じなかったけど、電柱が揺れているのに気付いた」
「ベースのコンベアがひっくり返ってるから荷受け止めて!」
「そもそも携帯電話回線が死んでるから荷受けできないぞ」

など色々な会話や叫びが聞こえてくる。
ちなみに携帯電話回線が軒並み通信不可能になっていたものの、営業所にあったIP電話を借りて業務終了報告(作業は何とか終わらせた)。

この時点での時間は確か17:00前くらいだったはず

2.帰宅開始

「そういえば近くにイオンがあったよな、安い自転車調達できればタクシー使うより安いよな」とか考えつつイオンに到着。

まあ、そうなるな…
ちなみに上の写真のタイムスタンプが17:46。

途方に暮れていると、視界に「さいたま新都心駅」行きバスが目に入る。
どうやらバスは動いているようだ。
ここにいてもしょうがないので情報収集も兼ねてさいたま新都心駅に移動。

「JR線全線運休&駅閉鎖」という貴重な情報を得る。鉄道網完全死亡のお知らせ。

この時点でのさいたま新都心駅周辺の状況。
・駅前のオフィスビルはエントランスを開放しているもののかなり人が多い(この時点ではまださいたまスーパーアリーナの開放情報はない)。
・ドコモショップが充電器解放をやっている。
・オフィスビルの勤務者と思われる男性2人がカップ麵で膨れたライフの袋を抱えてビル内へ。

この時点の状況から自分の取るべき行動を考える

・スマートフォンとモバイルバッテリーは割と余裕がある(当時の端末は単3電池4本程度でも8割くらい充電で来た)
・カロリーメイト2箱、500mlペット半分程度の飲料はある
・鉄道網の復旧は望み薄だけどバスは比較的動いている… が、このエリアの南北を結ぶ路線が少なそうな上にこの状況下で調べるのが困難(当時はNAVITIMEでも検索対応しているバス路線は稀)
・自宅は府中だが練馬に親類の家があるので、転がり込めば最悪徒歩でも何とか移動できる距離
・帰宅困難者云々はこの地震以前からも色々言われていたものの、通勤帰宅ラッシュに巻き込まれるような移動経路でもない
・荒川越えが最大の関門(通行止めになっていたらどうしよう…)

色々懸念事項はあるものの、この時点における徒歩帰宅の障害はそれほど多くはないため、徒歩帰宅を選ぶことに。

18:30頃、移動開始。

3.移動開始

和光市駅までの移動ルートは確か大雑把に下のような感じだったはず。

Google先生曰く「徒歩なら約3時間で到達できるyo!」とのことですが、そんな簡単にいくはずもなく…

「とにかく寒い」

日没後、急激な気温低下&強風という気付いたのはさいたま新都心駅を出発して1時間近く後。
しかもこのタイミングで「さいたまスーパーアリーナが避難所として開放」という情報が…

既に西浦和駅手前、行程の1/3程度まで来ているので引き返すのはかなり躊躇する状態。
というか、余震の危険性を考えると市街地に引き返すのはかえって危険、むしろ広々とした幹線道路沿いにいた方が方が安全まである。

「引き返すのは嫌だし、考えられるメリットも多くはない」という理由で徒歩移動を続行、その後軽い地獄を見る羽目になる。

寒さで移動速度が大幅に低下しながらも、何とか美女木JCT近くまで到達。確かこの時点で21:00くらい。
約6km移動するのに2時間近くかかっている。

で、ここから国道298号と東京外環が並走する幸魂大橋で彩湖・荒川・新河岸川をまとめて越えるのですが、1.5km程吹き曝し地帯が続きます。

「つまり寒い」

凍えながら戸田方面へ向かっている人はちらほら見ましたが、彼らは無事自宅まで辿り着けたのでしょうか。
あと、iPhone片手に歩いている人はちらほら見かけました。ちなみに当時全盛のガラケーの地図を見ながら歩いているような人はほとんど見かけませんでした。
地図の見やすさ、というか画面の大きさってやはり大事。

そしてなにより衝撃的だったのが「荒川越えに30分以上かけていたのに横を走る戸田方面の道路の車が微動だにしていない」という光景(写真なし)。
大地震発生時に都市部の移動で車は使えないというのは本当だったんですね…

23:00頃、満身創痍になりながら和光市駅前に到着。
駅前のサンクス(当時)が幸いにも営業していたので缶スープで休憩。

当然の如く、水・カップ麵・パン弁当類などは全滅しておりました。
コーヒーやお茶類はかなり残っており、缶スープや汁粉もそれなりに残っていました。

その後しばらく駅前で腰を落ち着けていると、大泉学園方面のバスが出るというアナウンスが聞こえてくる。時間は不明。
30分ほど待ったら行き先の表示がないバスが来たので乗車、混雑度合はそこまでなかった記憶があり。

しかし、目白通り手前で立ち往生状態になり扉開放。ほとんどの乗客はここで下車していたので自分も下車。
その後30分程徒歩で親類の家に転がり込むことに成功。時間は日付を越えていた0:30くらいだったはず。

4.翌日以降

午後になって京王線が動いているという情報を得て、徒歩で吉祥寺駅まで移動。
もはや5、6km程度は徒歩移動が当然になっているという感覚マヒな状態。

ちなみに会社からは14日の月曜日は自宅待機というメールが地震発生日の23時頃に飛んできていました。
何か色々とお疲れ様です…

5.考察と評価

当時の状況を考えれば、判断的にはそこまで間違った行動ではなかったのかなと。
東京都心→郊外という激混み経路でもありませんでしたし。

さいたまスーパーアリーナへの避難に関しては評価が分かれるところだと思いますが、現地の緊急情報の取得の難しさを考えるとまあ仕方ないかなといった感じはあります。

6.今後の対策

現在の勤務地が東京の湾岸エリアなので、勤務中に大地震が発生するとまず間違いなく帰宅困難者になります。
勤務先は大きなオフィスビルでそれなりに備蓄を行っているようなので、無理して帰る必要性も薄いでしょう。

というか、山手線の内側を突っ切って徒歩移動できるまともなルートが地図を眺めても思いつきません。
外苑周辺の道路が阿鼻叫喚地獄絵図になるのは火を見るよりも明らかで、神田川沿いや東京駅から品川駅のラインも徒歩移動ですら大きな障害になりそうです。

これ、公共交通というか鉄路が復旧しないと移動自体がまず無理なので(山手線内側を突っ切るバス路線は存在しない)、帰宅困難者と言うより帰宅不能者になると言った方が正しそうです。
東京都が提唱する「公共交通は3日で復旧する」ができないクリティカルな状況下になったら本当にどうしましょうかね…

帰宅困難者対策|東京都防災ホームページ
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/kitaku_portal/index.html

どうも東日本大震災の東京の状況(震度5強程度)を元に作っている節があり、これより酷い状況下を想定していないような感じさえします。
サイト内の文章を見る限り「通勤者を職場から出さない」という問題さえクリアできれば帰宅困難者対策はOKと思っていそうな点が怖いところです。

あと、通勤時間帯に大地震が発生した場合って想定してるのでしょうか、これ… 対処不能なので端から諦めていて書いていない可能性も…

関連リンク

大震災(震度6弱以上)が発生した場合、次の交通規制が実施されます。 警視庁
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/saigai/shinsai_kisei/kisei/index.html

この前の運転免許の更新の講習で知ったやつ。震度6弱以上の地震が発生した場合は環状七号線より都心側へ向かうことはできなくなる交通規制が発動する模様。

東日本大震災と情報、インターネット、Google
https://www.google.org/crisisresponse/kiroku311/

東日本大震災でわかった緊急時コミュニケーションの難しさ
https://www.google.org/crisisresponse/kiroku311/chapter_18.html

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